プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔

雪さんはアイスノンを外すとそこに湿布を貼り、目にも止まらぬ速さで包帯を巻いていく。
慣れた手つきなんてものじゃない。
本当にあっという間だった。


「雪さん、上手だね」


感心のため息混じりになる。


「一応、看護師免許を持っていますので」


雪さんは口元に微笑みをたたえた。


「そうだったんだ。すごいね」


看護師免許を持っているのに家政婦なんてもったいないと、勝手ながら思ってしまう。

雪さんは、確か清美おばさんと同じくらいの歳だったはず。
とすると六十五歳前後。
うちに来たのが三十歳だったと言っていたから、三十五年も仕えてくれているのだ。

年相応に白髪も目立つようになってきたし首や顔の皺も増えたように思えるのに、身のこなしだけは全く衰えていない。
歩くのも早足だし、動作は機敏だ。
たった今あっちのほうにいたのに、一瞬の間にこっちにいる、なんてことが多々ある。
私の動体視力が悪いだけだと言われたら完全否定はできないが。

とにかく見た目とのギャップには驚かされる。

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