プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔

「忙しいのにありがとう」


朝食の後片づけだってあるだろう。


「祐希様から、直ちに処置するよう仰せつかりましたので」

「祐希から?」

「ご自身で手当てなさりたいような素振りもあったんですけどね」


どこか含ませたように雪さんが言う。
目にからかいの色が見てとれた。

どうして祐希が私の手当てをしたがるのか。
不可解だ。
そう思う心の裏側にむっくりと頭を持ち上げそうな疑惑が沸いたが、そんなことは絶対にないと慌ててふたをする。


「私のほうが手慣れておりますので、お任せくださいませと言ってこちらに参りました。祐希様のほうがよかったでしょうか?」

「え?」


雪さんはさっき以上に顔を綻ばせる。
ニヤニヤといったほうが正しいかもしれない。


「やだな、雪さんってば。どうしてそうなるの?」


祐希の手当てよりも、看護師免許を持っている雪さんのほうがいいに決まっている。
いくら器用だからといって、プロの手には適わないのだ。

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