プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔
「いただきます」
早速口を付ける。
「――ん! 美味しい!」
いつものコーヒーも十分私を喜ばせてくれるけれど、今朝のコーヒーはまた特別だった。
控えめな酸味と爽やかな甘み。
ほかになんと表現したらいいのか、語彙力の乏しさに悔しくなる。
「ピンクブルボンでございます」
「ピンクブルボン?」
お初に聞く品種だった。
「通常のコーヒー豆は真っ赤なサクランボみたいになることからコーヒーチェリーと言われますが、このピンクブルボンは熟したときに薄っすらピンク色になるんです」
なるほど。
それでピンクブルボンか。
「こんなに美味しいコーヒー、雪さんが隠し持っていたなんて」
ナッツのフレーバーに、なにかはわからないけれどフルーツがほんのり。
まろやかな舌触りで後味はミルクチョコみたいに甘い。
少し残る香ばしさが格別だ。