プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔

「雪さんが元看護師だって知ってたの?」

「まぁ、そうですね」


祐希より付き合いの長い私のほうが初耳だというのに。


「チラッと聞いただけですよ」


不服そうな顔をしてしまったのか、祐希がフォローのひと言を入れる。


「でも、免許を持っていなくたって、もうちょっと上手にできるよ」


思わずクスクス笑いながら言うと、「それじゃ、やり直します」と祐希がムキになった。


「いいってば。ようは湿布がはがれなきゃいいんでしょ? それなら条件をクリアしてるし」


まるで“たんこぶ”のようにところどころ盛り上がってはいるけれど、包帯がほどけるわけではない。
どこか悔しそうな祐希を諦めさせた。


「なにかあったら呼び鈴を鳴らしてください」


そういえば、呼び鈴は……?
バスルームだ。

言った本人の祐希も置いてきたことを思い出したようだ。

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