プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔

「今、取って来ます」


そう言って、私の部屋のドアに手をかけたときだった。
突然、辺りがフッと暗闇に包まれた。


「ひゃあ」


思わず声が出る。
ライトが消えたのだ。

……停電?
それともうちだけ?

まさに真っ暗だった。


「大丈夫ですか?」

「ひゃああ」


さっきより大きな声が出た。
というのも、祐希の声がすぐそばから聞こえたからだ。

どうしてこんなに近くに!


「停電みたいですね。周りの家も真っ暗です」


動揺する私と対極に、祐希は冷静に分析してみせた。

なるほど。
カーテンの閉じられていない窓の外も、この部屋の中と同じく黒に染められている。
光といえば、時折通り過ぎる車のライトだけだ。

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