プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔
祐希が囁いた瞬間、鼓動が大きく飛び跳ねる。
なにかを期待しているのか、それとも恐れているのか、自分でもわからなかった。
固唾をのんで、祐希の言葉を待つ。
「……重い」
「へ?」
想像していたワードの中になかった言葉を祐希が口にしたものだから、頭が混乱した。
それではいったい、どんなワードを想像していたのかは、あえてここでは言いたくない。
――言えない。
何度も言うようだけど、雪さんが悪い。
変な想像を一瞬のうちに作り上げてしまったのは、彼女の誘導があったからだ。
「腕が痛いんですが」
「……あ、ご、ごめん!」
祐希の腕を下敷きにしていたのだ。
私を支えようとして倒れたのだから、相当な重量が彼の腕にはかかったはず。
かなり痛かったに違いない。
でも“重い”はないだろうに。
祐希のおかげでピンと張りつめていた空気が緩んだからか、金縛りが解けた。
そして、動くようになった身体を起こそうとしたときだった。
不意に室内がパッと明るくなる。
電気が復旧したようだ。
いったいなんのいたずらだったのか。