プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔

いつも居心地のいいはずのソファが、とても気づまりだ。

私の脇に呼び鈴が置かれた。
ハッとして雪さんを見上げる。
バスルームに置き去りだったことを思い出した。


「私の留守中にご不便をおかけして申し訳ありませんでした」

「――ううん、それは全然」

「この辺一帯が真っ暗だったものですから、旦那様と車から降りて驚きました」

「突然だったから、ほんとビックリしちゃった」


復旧も急すぎる。
あのまま暗がりでは困るけど、そのタイミングで雪さんが現れたのは強烈なアクシデントだ。


「日菜子様のお風呂の準備をと思って暗がりの中バスルームへ行ったら、これが置いてありまして」


そう言って、雪さんはチリンと呼び鈴を鳴らした。


「おひとりでここまで歩かせてしまったのかと、大急ぎでこちらへ参ったんです。そうしましたら……」


変なところで言葉を止めるのはやめてほしい。

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