プライベートレッスン 〜 同居人の甘い素顔
雪さんは思い出したように「ふふ」と笑みを漏らして、肩をすくませた。
おかげで私は顔が火照って仕方がない。
「でも、あんな真っ暗闇でよくここまで来られたね」
雪さんの気持ちを逸らそうと、話の矛先を変える。
「それに、足音もノックの音もしなかった」
「足音は普段からさせていないかと存じますが、ノックはいたしました」
「あ、そうなの?」
全然聞こえなかった。
「おふたりで、よほど熱中していらしたんでしょうね」
「だ、だから! 違うってば!」
やっぱり雪さんは誤解している。
そもそも、彼女がいけないのだ。
「雪さんが変なことを言うから、なんてことないのに祐希のことを意識しちゃうじゃない」
“なんてことないのに”を強調して言う。
「変なこと、でございますか?」