SaltyTriangle*

放課後、瀬戸と一緒に職員室に向かう。
その足取りは互いに重い。


頭の後ろで手を組みながら、瀬戸が大きなため息をついた。


「あーあ。今日りょうちゃんと放課後デートのはずだったのにな〜。」

りょうちゃんというのは、他校に通う瀬戸の彼氏。

奇遇だな、私もデートではないけど楓と過ごすはずだったんだよ。

そんなことを心で呟きながら、適当に返事をする。

「相変わらずラブラブ?」

「まーね。羨ましい?」

「ふざけてんの?私が恋愛とか彼氏って柄じゃないでしょ。」


楓のことが好きなんて、口が裂けても誰にも言えない。

そもそも私、恋バナってなに?ってくらい恋愛に疎かったしね。
楓への恋心を自覚したのさえ奇跡じゃないかってくらい。

瀬戸に言ったところで、大事にはならないだろうけど。

1人に言ってしまえば、一気に広まる。


そうなったらいよいよ大惨事だ。


「そんなこと言うけどさ、あんた顔悪くないんだから。女子力のカケラもないからモテないけど。」

「え、めっちゃ貶すじゃん。褒めたと思ったらすぐ落とすじゃん。」


そうこう言っているうちに職員室にたどり着いた。

担任の席まで行くと、机の上には大量のプリントが積まれている。

嫌な予感しかしない……。


そのプリントの束をポンッと叩いて、担任が私たち2人にニコッと微笑んだ。


「これ、今度ある生徒総会の資料。うちの学年全員分な。1冊子10ページ、ホッチキス留め。」

「いや、これ量多すぎじゃね?」

「10枚×200人で2000枚?教室運ぶのすら一苦労なんですけど。」


私の言葉に続いて、瀬戸も尤もな言い分を述べる。

この学校は1クラス40人で5クラスある。

200部の冊子今からホッチキス留めって、どんだけ時間かかるわけ?

いや、そもそもなんで他クラスの分まで私たちがやるわけ?


そんな私たちの心の疑問を見透かしたかのように、担任がフッと笑って口を開く。

「本来なら各クラスの委員の仕事だが、せっかく雑用係がいるわけだし。俺の注意を無視するとこういうことになるからな。」


この鬼畜教師がっ!!!


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