SaltyTriangle*
ずっとこのままなのかな。
この想いを、伝えることさえできないまま?
湯船に顔半分まで浸かりながら、ふぅ、とため息をついた。
ぶくぶくと気泡が水面を揺らす。
でも、ずっとこのままなら、それも悪くない。
だって、そしたら楓はずっと隣にいる。
好き合った男女に永遠が訪れる確率は?
限りなく低そう…。
いやいや、でも。
そうなると、いずれは楓にも彼女ができて、いずれは誰かと永遠を誓う。
いや、うん、あの、、、無理だな。
「………あ!そうだ!」
いけない、忘れてた。
そう思って、湯船から勢いよく顔を上げた。
パシャンッと音を立てて、湯船からお湯が逃げる。
私は顔の前でそっと両手を合わせた。
天井の向こうにある空を見上げて。
ここからでも届くかな?
………楓のお母さんに。
今日はバタバタして、挨拶もできずごめんなさい。
どうかこれからも、楓のことを見守っていてください。
「届くよね、きっと。」
「なにが?」
突然扉越しに聞こえた声に、目を見開いた。
見開いた目にはお風呂の天井しか映ってないわけだけど。
「え?ちょ、え、楓?は、なんでここにいんの!?」
「トイレのついで。」
「トイレのついでに、覗き……?」
うわぁ……と、渾身のドン引き顔をしてやった。顔は互いに見えてない。
「違ぇよ、はっ倒すぞ。てかお前の風呂を覗いて何の価値があんだよ。」
「お前こそはっ倒すぞ。現役JKの入浴シーンに価値がねぇとは言わせねぇぞ。」
と、いう悪ふざけはここまでにして。
真剣モードに入った。そう感じさせる沈黙が流れた。
扉の向こうで楓は、何を考えているんだろう。どんな顔をしてるんだろう。