SaltyTriangle*
静かに、楓の言葉を待つ。
今は、待つ時間。きっとそう。
「…………心配かけて、ごめんな。」
「ううん。」
「梓が来てくれたの、嬉しかった。俺さ、今はまだ、梓がいないとダメみたいだ。」
「……うん。」
体温が、一気に上がる。
お湯に浸かっているからか、湯気に包まれているからか。
楓の言葉が、嬉しかったからか。
「あのさ、楓。心配くらいさせてよ。私は、こうやって心配できる距離にいたい。」
何だか気持ちをさらけ出すのは照れくさくて、さらに体温が上昇するのを感じた。
いや、ていうか。
熱くなりすぎてクラクラしてきた…
ってかこれ、のぼせてないか…?
「か、楓…?ちょっと、私もう上がっていいかな?」
「あ、わり。長居した。じゃあ俺戻ってるわ。今日は本当、ありがとうな。」
「気にすんな〜。今更そんなん、気にする仲じゃないっしょ。」
いつも通り楓が笑ってくれるなら、それでいいよ。
まだ側にいてくれるなら、それでいいよ。
心配できることが、嬉しいよ。
湯船から上がって浴室の扉を開けると、冷たい空気が舞い込んだ。
クラクラする頭をおさえて、足拭きマットにぐたっと座り込む。
「うぁー、身体おもっ。なんか、疲れちゃった。」
リラックスするための時間が、なぜこんな結果を招く危険があるのか。甚だ疑問である。
せっかく温まった身体が冷えるのは本意ではないので、バスタオルでサッと身体だけ拭いてスウェットに身を包む。
それでも頭はやっぱりクラクラ。
視界が揺れる。
えー?そんなに長いこと入ってた?
こんなにのぼせる?普通。
あ………やば。
本格的に……意識…が…………
思う間もなく思考回路がプツンと切れて、私はその場に倒れ込んだ。