SaltyTriangle*
青峰高校は、都内でも有数の進学校。
その入試の難しさはエグすぎて有名。限られた秀才しか通うことができないと言われている。
そんな青峰高校から転校して来るなんて…
って、え?都内?
「青峰からなんて、近すぎない?」
「そうなんだよねぇ。転校って基本引越しとかで通うのが難しくなったからするもんじゃん。それ以外の理由なんて、そんなに多くはないし限られる。……訳ありかもね。」
一気に真剣な顔になる瀬戸。
私は、先程から首にかけていた楓のタオルを取ってから腕組みをしてみせた。
引越し以外の理由で1年のうちから転校なんて…あんまり詮索するのはダメなんだろうけど。
家庭の事情か、それとも……
ふと、私の持つタオルを凝視する瀬戸に気づいた。
「……何してんの、あんた。」
「それ、もしかして相馬くんのタオル?」
「そうだけど。」
あ、嫌な予感。
「とりあえず、匂い嗅がせて。」
「バカじゃないの。」
やっぱり。
私は少し食い気味にその提案(っていうか懇願?)を拒否した。
まぁ確かに、楓のタオルなんて女子の憧れアイテムでしょうよ。
それにしてもね。
「瀬戸、あんた彼氏いるでしょ。」
そう、瀬戸はれっきとした彼氏持ちである。
「彼氏いても、あのイケメンには興味持つわ。カヤノ、あれと幼馴染なんてまじ幸せだからね。」
「はいはい、そーですね。てか、このタオルもう私の汗の匂いしかしないから。」
残念がる瀬戸の後ろに、こちらを睨む担任の姿が見えた。
あー、SHR中なの忘れてた。
やっべ。完全にキレてるよ。
もしかして何回か注意されてた?
額から冷や汗が流れる。
その様子を見ていた隣の男子が、
「やっと気付いたよ。」
と呟いた。