SaltyTriangle*
いやいや、気付いてたなら教えてよ!
呆れた顔をする隣の男子を、キッとかるく睨みつける。
とりあえずまだ気付いていない瀬戸に、人差し指を担任に向けて状況を知らせる。
それを見て瞬時に状況を察した瀬戸の顔が、次第に青くなっていく。
これしきのことで私も瀬戸も何故こんなに焦っているのかというと、この担任の課す罰がえげつないからだ。
まだ軽いので言えば、遅刻した者は放課後教室掃除。
遅刻常習になると1ヶ月毎日掃除。
授業中やHR中に2度注意を受けた者は1週間日直。
1番ひどいのは授業中にスマホをいじってて没収された場合。没収された回数によって、1日、3日、1週間、スマホが返ってこない。そのうえ1ヶ月間掃除か日直をやらされる。
ちなみに、罰の種類は担任の気分によって変わる。
日直も掃除も、なかなか面倒臭い。
ただ、それよりも何よりも嫌なのが……
「瀬戸、茅野、お前ら2人、1週間雑用な。」
いつもよりワントーン低い担任の声が、すぐ近くで響いた。
知らぬ間に席の真ん前まで来ていたらしい。
はい、出ました。なんだかんだ1番めんどくさい雑用。
「まじ勘弁なんだけど。」
「諦めよ、カヤノ。」
雑用は、掃除や日直も頼まれたらやるし、プリント配布や掲示、ノート集めに課題集め。
仕事を回す担任のサジ加減もあるけど、とにかくだるい。
まぁ1週間なら……いっかな。
「さっそく今日の放課後、職員室集合なー。」
「はっ!!?ちょっと待って!!」
予想外に早すぎる招集に、思わず勢いよく立ち上がる。
前言撤回!よくない、全然よくない!
「なんだ、いきなりテンション高いな……」
突然のオーバーリアクションに驚く担任に、精一杯の講義を試みた。
「だって、帰りは楓とっ……」
そこまで言って、一気に言葉にブレーキをかけた。
うわっ、久々にやっちゃった。
そう思った。