SaltyTriangle*
楓はイケメンで女子にモテる。
これはなにも、楓のクラスa組に限った話じゃない。
このb組にはもちろん、他のクラス、さらには先輩たちにも楓の存在は広く知られている。
そんな楓の幼馴染で1番近い存在に位置する私が、妬まれないわけがないのだ。
半年かけてどうにか妬み地獄から脱出した。
まずは瀬戸のような、楓を恋愛対象としてない子から仲良くなり。
その伝手を辿って、そりゃまぁいろんな女子と面識を持った。
持ち前の明るさで、好印象を植え付けて。
それなのに、私としたことが大声で楓の名前を叫ぶとは!
さっきの一言で、クラスの女子の視線が睨みに変わったのだ。
ほんの一瞬の出来事ではあるが。
話し合いでもしてたんじゃないか、というぐらい一斉に目が鋭く光り、同時に元に戻った。
私が言葉を止めた瞬間である。
あのまま続けていれば、確実に女子の視線に殺されてた、うん。
“楓くんと仲良しアピールですかー。やっぱり茅野ちゃんってそういう…。男勝りって言っても所詮は女子だよねー。”
と、いう思考・感情がb組女子に植え付けられては、確実に起こるのは嫌がらせ。
本当、女子って怖い生き物だよ。ほんとメンドクセー。
「茅野、まだ何か?」
担任までも、くだらない理由聞かせんじゃねーよ、くらい普通に思ってるだろ〜なという冷たい視線を向けてくる。
「なんでもないでーす。放課後ですねー、了解了解。」
私は再びおとなしく席に着いた。
瀬戸が意外そうな顔で私を見つめてこう言った。
「相馬くんとなんていつも一緒に帰ってんじゃん。なんか特別な約束でもあったん?」
「あぁ、うん。ちょっとね。」
少し意味深に返事をして、私はそのま押し黙った。