#恋·恋



…注文が多い

とりあえず面倒なので視線で答えた。

「俺も魁斗って呼んで。敬語も必要ないからね」

『…わかり…っ、…わかった、』

蓮にギロリと見られ、直した。

そんなに嫌なのかな

なんか逆にタメ口とか嫌そうな感じなのに。



…──それからしばらく話をした。

主にてか、ほとんど魁斗としか話していない

オー…、蓮はただずっと黙ったまま




………お腹空いた

そういえば、お昼も夕飯も食べていないことを思い出した

今日学校の課題やってすぐ来たから、食べる時間もなかった

お茶を何度も口にするも、お腹は満たされない。



『……何か頼んでもいい?』

このままだと集中出来ず仕事出来ないかもと思い、フードメニューを手に蓮に尋ねると、蓮は口から紫煙を吐き出して静かに私に視線を向けた。


「腹減ったのか」

『うん、お昼から何も食べてなかったから』

「…………」

無言

これはいいってこと?

まぁいいや、自分で払うならいいよね?

そう思い、メニューをざっと見ていると、

魁斗が席を立ち、部屋を出た。

無音の空間に2人きり。


別に緊張しないし、意識もしない。



……けどタバコの匂いがどうしても苦手だ。


眉間に皺が寄らないようなんとか耐える。






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