#恋·恋
メニュー本を手に、ペラペラ捲る。
しばらくして魁斗が戻ってきた。
そして隣で一言二言話し、また部屋を出た。
それを横目にメニューを見ていると、「行くぞ」と声が聞こえた。
その言葉に視線をメニューから蓮に移す。
彼はまっすぐ私を見ていた。
『?』
「行くぞ」
蓮は煙草を灰皿に揉み消し、立ち上がった。
『何処へ?』
「……腹減ってるんだろ。今から飯に行く」
『え、いい。ここで済ませる。お金も自分で払うし』
「行くぞ」
拒否する私を制圧させる声色とオーラでそう言い、私を見据えた。
強制か。
『…………』
メニュー本を閉じ、席を立つ。
蓮はそれを見ると、扉に向かった。
私も黙ってついていく。
前にいる蓮はポケットに手を入れ、颯爽と扉を開け出ていく。
私もその後を追うが
慣れないピンヒールのせいで非常に歩きづらい、。
そして足が痛い。