嘘つき天使へ、愛をこめて
『強くなれ』
普通、大丈夫か?とか父親はどうしたんだ?とか言うものなのに、おかしいんじゃないかと思う。
生きているのも危うい状態の、たかが12歳の少女相手に。
でもあたしがその言葉に救われたのは事実だった。
おかげで今ではそこらの不良に負けないほどの強さを身につけているし、あの頃のように抜け殻ではない。
それからは、いろいろあった。
彼の名前を知って、無理やり食事をとらされ、ぼろアパートから大翔のマンションへと引っ越した。
拾われた、といってもいいかもしれない。
ともかく大翔はそれから、何から何まであたしの世話をしてくれた。
父がいた頃から家に来ていた児童相談所の審査も大翔がどうにかしてくれたのだという。
詳しくはわからない。
中学生になり、少しずつながら学校にも行き始めたからか、それきり児童相談所からの接触もなかったし。
捨て子ながら施設へ入ることがなかったのは、他ならぬ大翔のおかげだ。