嘘つき天使へ、愛をこめて


「そんなことないよ。雅はたくさんの人を救ってきた。あたしも今なら分かる。雅は雅だから慕われてるんだって。総長とかじゃなくて、雅という人をみんなは大好きなんだよ。信じてるんだよ」

「サリ……」

「あたしだってそう。まだ出逢って間もないけど、雅からたくさんの想いを貰った。生まれてはじめてだった。人を好きになって苦しむのも……愛したいって、泣くのも」


ぽろぽろととめどなく流れていく涙をそのままに、情けなく笑ってみせる。


「……ダメだってわかってるのに、どうしても望んじゃうの。雅のことを離したくない、離れたくないって……」


どうしても、涙が溢れてくるんだ。


「―――離さないよ」

「え?」


弾かれるように顔をあげたあたしの唇に、押し付けられるように触れた雅の唇。


口付けられた部分から、じわじわと身体中に痺れが広がっていく。


そしてゆっくりと離れた雅は、そのままあたしを抱き寄せて、腕の中に閉じ込める。
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