嘘つき天使へ、愛をこめて


そうなんとも、あたし好みの制服。

足は寒さ対策にルーズソックスを履いた。


スカートが思ったより短いせいで完全なる防寒は出来ていないのが少し悔やまれるけれど、まあいい。


腰までのびたライトブラウンの髪は、生まれつき細い猫毛なので、ふわふわと柔らかくウェーブしながら小柄な体を包み込む。


髪を伸ばしていることに理由はないけれど、あえて言うのなら落ちつくからだ。


……まぁ、多少身体を使う時は邪魔だけど。


「ふぅ」


小さく息を吐いて、学校の敷地へ足を踏み入れる。


外にも聞こえてくるくらい、生徒たちがバカ騒ぎしていて、もうこの時点で嫌になった。


あたし、うるさいのと面倒くさいのは嫌いなのにな。


はぁ……と溜息をつきながら、あたしは校内へと足を踏み入れる。


早速そこにいたチンピラ風の男子生徒二人と目が合って、とりあえずペコリと頭を下げておいた。
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