嘘つき天使へ、愛をこめて
「なに?その手」
「手、繋ご?っていうお誘い」
「意味わかんない」
「天使みたいな見た目にそぐわずハッキリ物言うよね、君。まあそういう子嫌いじゃないけど」
結局男なんてそんなものだろう。
あたしの見た目目当てで近付いて、この性格を知ると呆気なく、まるでゴミのように捨てていく。
おかげで中学の頃は散々だった。
大翔に行くように言われたから行っていたけど、男子は最低なのばかりだったし、女子にはなんの反感を買ったのか集団でいじめられた。
まったく嫌な思い出しかない。
心という心がそこで消えなかったのは、大翔がいてくれたからだろうけれど、正直中学には本当に行きたくなかった。
義務教育なんて、本当に要らないと何度思ったことか。
「……まあ、でも」
そう言いつつ、雅の手を取った。
それには驚いたように僅かに目を見開く幹部メンバー。
じっと雅の手を見つめて、あたしは淡々と告げる。