(A) of Hearts

「前田さま」


そして前田さんの腕に手を絡め王子様スマイルを見上げた。わたしも微笑み返す。


「行きましょ」

「おう」


一歩ずつ遠ざかる。
どんどん遠ざかる。


そしてステージの真ん中で立ち止まって振り返った。そこでふたたび前田さんと見つめあい、微笑みあい、ゆっくり袖に向かって歩いてゆく。

頭の中は真っ白。
だけど受付の経験があってよかったかも。天職だったのかもしれない。なんて、そんなことが、ぼんやりと頭に浮かんだ。

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