雪の日に祝福を…。
「解りました。」
「じゃあ、明日検査だ。」
医師が出て行くと個室の病室は、まるで牢獄だった。
息が詰まりそうな部屋から出て屋上に向かった。階も病棟も違うが妹も入院している。鉢合わせしないように気を配らないといけない。
「んー!!」
屋上の開けた空間と風邪の匂いが心を和ませる。
下を見たら現実に押し戻されてしまう。青く輝く空しか見つめない。
「・・・・・・月依ちゃん?」
「!!」
早くもゲームオーバーのようだった。
「月依ちゃんでしょ?」
「お久しぶりです・・・お義母さん。」
「みんな心配していたのよ。」
「すみません・・・ここに居たのは、秘密にして下さい。」
「どうして?」
「私実は、ライバル会社にヘッドハンティングされて退社して行方をくらませていたので。」
それとなく言い逃れ出来そうな言葉を向ける。
「そう、それは秘密ね。」
「はい。
(ごめんなさい、お義母さん。)」
「でも、なんで病院着なの?」
「実は、健康診断で。」
「そう。そうよね。今時どこの会社でもあるわよね。ごめんなさいね、色々勘ぐって。」