雪の日に祝福を…。
◇3◇ 予定通りの結婚式
再会なんてしたくなかった。
私の唯一の〝愛〟さえも簡単に盗まれてしまった。2人の前で死んでやろうとか苦しめてやろうとか何度思っても行動を起こせない私は、弱いのか…それとも初めからあっさりと引き渡せる位にしかヒトを想えない欠陥品なのか・・・・・・答えなんて1つも出ない。
眠れず酒を煽っても一向に酔いが来ない。どれだけ自分は、鈍いのだろう。
確かに泣けたのに。
どうしたらいいのかをずっと考えていた。
一体私を焼き付けるには、〝何を〟したらいいのかを。
《 《
「月依。」
「何よ。早くワイン!」
「ダメだって。何杯飲んだと思ってる。」
上司との飲み会で見付けたカウンターバー。そのマスターが今日は、口うるさい。
「今日はねぇ、全然酔わないの!ミラクルっ!!さぁ、あるボトルぜ~んぶ持って来て!!」
普段ならワインを一本空けるのがやっとだが今日は、ウィスキーなども手を出していた。
「マスター出してあげたら・・・」
「おっ、君イイ子ねぇ。ほら、早くぅ~」
「じゃあ、これで最後だ。」
ワインをグラスに並々注ぐ。