夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
「アカリさんッ!
しっかりして下さいっ…!」
「今、病院に着きましたからね!!」
廊下に響き渡る、レナとレイの声。
その声に慌てて目を向けると…。
早足で運ばれる担架の上で、
汗のかいた顔を辛そうに歪めて、
苦しそうに荒い息を吐くアカリさん。
……。
嘘でしょう?
何故、彼女が…?
ヴァロンの大切な人。
彼が必死に守ろうとしている宝物。
”……俺にとっては。
アカリがいなくなる事が、終わりだからさ。”…。
私にそう言った時のヴァロンの儚げな表情が、
”離れたくない”と…言っていた。
……。
もし、アカリさんを失ったら…。
また、愛する人を亡くしたら…。
今度こそ、ヴァロンは……。
ヴァロンの事を想ったら、
ズキッと胸が激しく痛み出した。
「っ……!!」
私は治療室に運ばれて行くアカリさんを追う様に駆け出そうとしたホノカさんの腕を掴んで止めた。