夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】
「!っ……シュウ、さん///?」
「彼女を助けて下さいッ…!!」
驚いた様に見つめるホノカさんの両肩をガシッと掴んで、私はまるで自分にとって大切な人の事を頼む様に必死に叫んでいた。
「彼女はヴァロンの大切な人なんですッ…!
アカリさんに何かあったらっ…ヴァロンがッ…。っ…ヴァロンが死んでしまうッ……!!」
私はホノカさんの前でこんなに風に大声を上げて、取り乱した事なんてない。
彼女は呆然と目を見開いていた。
「!…ぁ……っ。」
ホノカさんの表情に私はハッとすると、ゆっくり彼女の肩から手を放して俯いた。
”ヴァロン”…。
自らその名前をホノカさんの前で口にした事も、随分となかった。
私が彼の名を呼ぶ声など、
妻は絶対に聴きたくないと…思うから……。