夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】

「アカリがヒナタ位の時かな…。
道端で具合が悪くなったアカリの母さんを、俺が病院に運んだ。」

リディアが忘れた財布に気付いて、たまたま追い掛けた日の事だった。
リディアと一緒にいる小柄な女性が苦しそうにお腹押さえて、道端にうずくまってて…。
その時何故か”守ってやらなきゃ!”って、感じたんだ。

気付いたら俺は女性を抱き上げて病院に運んでいた。


「……そん時にお腹にいたのが、アカリ。
……。なんか、信じられねぇよな?」

あの時、感じた不思議な気持ちと暖かさ。
今もハッキリ想い出せる。

思わず気持ちが穏やかになって、微笑みながらアカリのお腹に触れている俺の手に…。
ポタポタと、暖かい涙が落ちてきた。
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