プルシアンブルー“俺が守る”
譲琉は爽築に愛情…、それもかなり歪んだシスターコンプレックスを抱いている。



その中で何らかの理由が生じ、その歪な想いが爆発し複数人を殺害するにまで至った。


だから関係のある爽築の(譲琉のでもあるが)卒業校の人物ばかり狙った。



そう考えると、全て辻褄が合う気がした。



「で、本題は桧亨譲琉が何処にいるかだ…」



急を要するは、桧亨譲琉の居どころ。


そして、連絡の取れない爽築と喝宥の行方だ。



「那釜ロゼ教会……」



パンフレットがありノートパソコンの閲覧履歴にもその名があるのだが、部屋を見る限りでは宗教を信じているようには見えない。



しかし。



「まさか……な…」



拭えない不安は不釣り合いな違和感によって増幅され、数十分前に降りだした雨音さえ迫り来るようで。



「行ってみるか……」



緊急配備が敷かれている中で、自身の根拠の無い刑事の勘のようなものだけで他の捜査員を動かす訳にはいかない。


だけど。



「俺は後悔も被疑者死亡も勘弁だからな…!」



唯一突き動かされてしまう、制御盤が内に秘めし熱き情熱。


腐れ縁だって捨てたものではないのだ。
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