勘違いも捨てたもんじゃない

どう思うって、…。

「色仕掛けで来た相手と手当たり次第したいかって事ですか?」

…。

あれ?的外れだった?

「つき合おうと思わず、関係だけでも持ちたいかって事でしょうか?」

もう気持ちは置き去りだ。探るように聞いてみた。

「そうだ」

ふぅ。当たったか。当たったかじゃない。
じゃあ、言わないと駄目なの?
答えを求めるられている目だ。

…。

「私は…」

…。

「関係だけなんて嫌です。だったらしません」

…あ、でも、自分が凄く好きなら…して…しまうかも。

「それは結果、どっちが先になってもいいのかな?」

…え?してしまってから、つき合うか、つき合うと決まってからするかという事よね。んんー。

「一方的な思いでは駄目なのかな?」

ジリジリと距離を詰められている気がしたから、慌てて割るように珈琲カップを手に取った。…これは何だか危ない。
珈琲を口にした。
私に聞いているのよね。一般的な事を聞いているんじゃないのよね?

「思いは計れません。例え好きだとしても、どのくらい好きなのか、口に出さなければ解らないかも知れません。
好きでもまだ駄目な時もあります。あ、これは安住さんに限らずの話です」

好きならします、なんて、危険過ぎて…言ったらまずいでしょ?

「広く一般的な話ではない。私に対してだ。例えば好きだとしてだ」

…。

「…好きならします。だって好きだから」

…言っちゃった。…例え話だし。

「好きでシて、付き合おうって言われなかったら?」

「私は後悔はしません、お互い好きでシたのなら尚更、後悔はしません」

相手が好きになってくれて無くてしてしまうのは、とても切ない関係の持ち方…。だけど、そうなりたい時だって…ある。それでもいい時だってある。

…。

「もー!あれこれ考えて好きになりませんよね?好きって理屈じゃないですよね?
恋に堕ちるのなんて、気づきもしない、一瞬じゃないですか。
ごちゃごちゃ言わず、好きなら押し倒していいと思います。死ぬほど嫌な相手だと思われたら、どんなに怪我をしようともその相手は必死で抵抗するはずです」

…。

「そうか…」

「あー!これも一般的な事ですからね」

「そうなのか…」

危ない…。

「それで、結局のところ君はどうなのかな」
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