ふたりで

駅前のコーヒーショップで待ち合わせて、ふたりで飲み物を買って、席に座った。

「それで、ラブラブな真愛が、話したいことってなあに? まさかこーちゃんとの、むむむ?


「それは、ないから。」

ノー天気にからかう幸に、私も、真剣に悩んでいたことが馬鹿らしく思えてきた。

「そう、まだなんだ。こーちゃんって、我慢強いよね。尊敬するわ。」
と、全く尊敬してないくせに、幸ったら、

「そうかな? 誰しもそうだとは限らないでしょ。」
と、私も反論する。

「幸んとこみたいに相手が社会人なら、もし万が一、子どもができても、責任とってもらえるけど。私たちには、無理!」

「こればかりは、同意がなければね。片方の気持ちだけじゃね。でも、こーちゃんなら、待ってくれそうだね。」

と、確信もないくせに、ケラケラ笑いながら言ってくる幸に、あきれてしまう。

おっと、肝心な聞いて欲しいことが、頭からすっかり抜け落ちていた。

幸が笑い終わったようなので、昨日ね話をした。聞きながら、幸は、また笑い出した。

「深刻な顔して話すから、何ごと!と思ったら、それって真愛のやきもち?嫉妬?こーちゃんが浮気するかもって?」

幸は、私が、言われたくないことを、はっきり言ってくる。







< 39 / 90 >

この作品をシェア

pagetop