ふたりで

「ないない!ぜーったいないから!」

と、幸は、またしても根拠もなく言ってくる。

「そうかな?私の思い過ごしかな?」

「そうだよ。こーちゃんに限って、あり得ないから。心配するだけ無駄よ。」

幸は自信満々に言うが、私もむきになって、

「どうしてわかるのよ?」

「こーちゃんを見てれば、わかるよ。だって、こーちゃんって真愛しか見えてないから。」

幸は、そう言うけど、私にはわからないなあ。だって、まだ、『好き』とか『愛してる』って、言われたことないよ。あっ、『愛してる』は、まだ早いか。
『一緒にいたい』ってだけだよ。


まあ、私からも、そんなこと言ったことないけどね。そう、私たちは、お互いの気持ちを確かめたことがない。私は、この事実に、改めて驚愕した。



そこに私の携帯がなった。幸は、にやりと笑った。私は、なぜかドキドキして、心臓の音がいやにうるさい。

幸に断り、携帯に出る。やはりこーちゃんだった。

「真愛、今、どこ?」

「幸と、駅前のコーヒーショップ。」

「わかった。これから行くから待ってて。」

「うん、待ってる。気をつけて来てね。」

と携帯を切ると、幸が、

「さて、邪魔者は、消えますか。」

「えー!こーちゃんが来るまでいてよ。心細いよ。」
ボソボソと私が言うと、
「じゃあ、こーちゃんの顔を一目見てから帰りますか。」

やっぱり幸は親友だ。私を決して見捨てはしない。有難いなあ。
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