ホテル王と偽りマリアージュ
リビングでインターホンモニターに応答していた一哉が招き入れたのか、しばらくすると玄関ドアの外のインターホンが聞こえてきた。
一哉が玄関に向かい、やがて二人分の足音がリビングに戻ってくる。
こんな朝から、お客様……?
私は慌てて涙を拭い、一度大きく深呼吸した。
どうしよう。
こんな顔でお客様の前に出ない方がいい。
でも、全く無視ってわけにもいかない。
どっちつかずで迷っていた時、リビングから声が聞こえてきた。
「なあ、一哉。椿さんは?」
その声に、ドクンと心臓が大きな音を立ててひっくり返った。
「それより、俺の携帯。勝手に持って帰ったからって、届けにきてくれたんだろ?」
慌てて寝室のドア口に向かうと、一哉が不機嫌な調子で応答する。
「届けにきてやったのに、随分な言い草だな、一哉」
半分開いたドアの隙間からそっとリビングに目を向ける。
一哉の態度からも、相手の声でもわかる。
そこにいたのは、やっぱり要さんだった。
「それこそ、勝手に持って帰る理由がどこにある。早く返せって。椿ならまだ寝てるから」
一哉は取りつく島もない冷たい応答を繰り返す。
けれど、『へえ。まだ寝てるんだ』と言いながら、要さんがこっちに目を向けた。
思いっきり目が合ってしまい、慌てて壁に身を寄せてももう遅い。
一哉が玄関に向かい、やがて二人分の足音がリビングに戻ってくる。
こんな朝から、お客様……?
私は慌てて涙を拭い、一度大きく深呼吸した。
どうしよう。
こんな顔でお客様の前に出ない方がいい。
でも、全く無視ってわけにもいかない。
どっちつかずで迷っていた時、リビングから声が聞こえてきた。
「なあ、一哉。椿さんは?」
その声に、ドクンと心臓が大きな音を立ててひっくり返った。
「それより、俺の携帯。勝手に持って帰ったからって、届けにきてくれたんだろ?」
慌てて寝室のドア口に向かうと、一哉が不機嫌な調子で応答する。
「届けにきてやったのに、随分な言い草だな、一哉」
半分開いたドアの隙間からそっとリビングに目を向ける。
一哉の態度からも、相手の声でもわかる。
そこにいたのは、やっぱり要さんだった。
「それこそ、勝手に持って帰る理由がどこにある。早く返せって。椿ならまだ寝てるから」
一哉は取りつく島もない冷たい応答を繰り返す。
けれど、『へえ。まだ寝てるんだ』と言いながら、要さんがこっちに目を向けた。
思いっきり目が合ってしまい、慌てて壁に身を寄せてももう遅い。