ホテル王と偽りマリアージュ
モクテキ
一言に『契約外恋愛しましょう』と言うのは簡単だけど――。
自慢にもならないけど、私は胸を張って誇れるほどの恋愛経験はない。
一哉に至っては、数々の経験はあっても、恋愛感覚という点では私以上に不慣れな人。
おかげで、せっかくの休日。
恋人らしい過ごし方を相談し始めると、会話が噛み合わない。
「まずは、仲良くデートから始めるべきでしょ」
そう主張する私に、
「なにもそんな最初から順を追って踏襲することないでしょ。俺たち、一応結婚してるんだよ?」
一哉は心底から面倒臭そうな顔をした。
「じゃあ、一哉は今日一日どうやって過ごしたいの」
「家でまったり」
「出張疲れ、残ってる?」
「いや。希望を言えば、一日ベッドで……」
「ちょ、ちょっとちょっと!!」
家のことも午前中で一段落して、『これからどうしようか』と話してたのに、いきなり一足飛びの希望を言われて、私は慌てて一哉を遮った。
「一哉らしくない! 要さんっぽいこと言わないで」
「ちょっと待て。なんでそこで要が出てくるの。もしかして要にそうやって誘われたことがあるとか……?」
「ない! ないけど!!」
自慢にもならないけど、私は胸を張って誇れるほどの恋愛経験はない。
一哉に至っては、数々の経験はあっても、恋愛感覚という点では私以上に不慣れな人。
おかげで、せっかくの休日。
恋人らしい過ごし方を相談し始めると、会話が噛み合わない。
「まずは、仲良くデートから始めるべきでしょ」
そう主張する私に、
「なにもそんな最初から順を追って踏襲することないでしょ。俺たち、一応結婚してるんだよ?」
一哉は心底から面倒臭そうな顔をした。
「じゃあ、一哉は今日一日どうやって過ごしたいの」
「家でまったり」
「出張疲れ、残ってる?」
「いや。希望を言えば、一日ベッドで……」
「ちょ、ちょっとちょっと!!」
家のことも午前中で一段落して、『これからどうしようか』と話してたのに、いきなり一足飛びの希望を言われて、私は慌てて一哉を遮った。
「一哉らしくない! 要さんっぽいこと言わないで」
「ちょっと待て。なんでそこで要が出てくるの。もしかして要にそうやって誘われたことがあるとか……?」
「ない! ないけど!!」