ホテル王と偽りマリアージュ
ハッと顔を上げた途端、覆い被さってきた一哉に唇を奪われてしまった。


「んっ……!!」


必死に顔を背けて逃れようとしても、先回りする一哉の唇に、キスを深められていく。
下唇を食まれ、吸い上げられ、舌を絡められていくうちに、頭の中がトロンとし始めた。
抵抗の力が完全に抜け落ちていく。


息が上がり、呼吸の仕方さえわからなくなっていく。
唇が離れたタイミングで、酸素を求めて一度大きく息を吸った。
その時。


「……っ!!」


一哉の手が、私の胸に触れるのを感じた。
胸の上で蠢く感覚に、身体をビクッと震わせながら息をのむ。
私は慌てて一哉の手を掴んで止めた。


「バカッ! ど、どこ触って……」

「どこって。胸のつもりだけど、ここじゃなかった?」

「ふざけないで! なんでこんなことする必要があるのよ!」


焦りで頭の中が真っ白になりそうだった。
それでも必死に身を捩り、一哉の手から逃れようとする。


なのに彼は私の背中に手を回し、ブラのホックを器用に外した。
そのまま私の上着の裾から遠慮なく手を挿し込み、胸の膨らみを下から持ち上げるようにして触れてくる。


「やっ、あんっ……!」


今まで感じたことのないゾクッとくる刺激に耐え切れず、思わず変な声を漏らしてしまった。
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