ホテル王と偽りマリアージュ
「要も結婚するなら椿みたいな女性をオススメするよ。派手でキャバ嬢にしか見えない妻と四六時中一緒にいても、心が休まらないと思うしね。俺」
私の後からワインボトルとグラスを両手で運んできた一哉が、それなりのフォローをしてくれたけど、キャバ嬢を比較対象にされても、あまりにかけ離れ過ぎでピンとこない。
「まあ、椿はダメだけどね」
その言葉も、取って付けたようにしか聞こえない。
微妙な気分で眉を寄せる私を無視して、一哉は要さんにワイングラスを手渡し、彼の向かい側のソファに腰を下ろした。
「椿」と促されて、私も一哉の隣に座る。
横から一哉がグラスを手渡してくれた。
私たちの様子を眺めていた要さんが、ふふっと笑う。
「俺、地味が悪いとは思ってないよ。自分で一皮剥いていい女に仕立て上げる楽しみがあるし」
「爽やかな休日の真っ昼間から、悪い男みたいな言い方すんなよ、要」
一哉は手慣れた手付きでワインのコルクを抜き、要さんにボトルを傾けた。
透き通った葡萄色の液体が、コポコポと小気味よい音を立てて注がれる。
それを受けてから要さんが一哉からボトルを受け取り、「どうぞ、椿さん」と私のグラスに向けてくれた。
「あ、ありがとうございます」
手にしていたグラスを慌ててテーブルに置く。
私の後からワインボトルとグラスを両手で運んできた一哉が、それなりのフォローをしてくれたけど、キャバ嬢を比較対象にされても、あまりにかけ離れ過ぎでピンとこない。
「まあ、椿はダメだけどね」
その言葉も、取って付けたようにしか聞こえない。
微妙な気分で眉を寄せる私を無視して、一哉は要さんにワイングラスを手渡し、彼の向かい側のソファに腰を下ろした。
「椿」と促されて、私も一哉の隣に座る。
横から一哉がグラスを手渡してくれた。
私たちの様子を眺めていた要さんが、ふふっと笑う。
「俺、地味が悪いとは思ってないよ。自分で一皮剥いていい女に仕立て上げる楽しみがあるし」
「爽やかな休日の真っ昼間から、悪い男みたいな言い方すんなよ、要」
一哉は手慣れた手付きでワインのコルクを抜き、要さんにボトルを傾けた。
透き通った葡萄色の液体が、コポコポと小気味よい音を立てて注がれる。
それを受けてから要さんが一哉からボトルを受け取り、「どうぞ、椿さん」と私のグラスに向けてくれた。
「あ、ありがとうございます」
手にしていたグラスを慌ててテーブルに置く。