ホテル王と偽りマリアージュ
見た目や雰囲気からも想像は出来たけど、要さんって結構な遊び人なんだろう。
そりゃあ、お金持っててイケメンなら、いくらでも寄ってくる女はいるだろうけど。
そういう人から見れば私が地味で華がないのも当然だし、さっきの酷い言葉も気にするだけ無駄ってもの。


「一哉の方は、どのくらい時間かかった?」


逆に一哉に話題を返すくらい、あっけらかんとしたもんだ。


「人聞き悪いな。俺は最初から片付けるような女はいないし」


一哉は当たり前のように即答した。
それを聞いて、要さんは私の方に話を振ってくる。


「ほんと? 椿さん」

「えっ!? え~っと……」


本当かどうかなんて知らないけれど、少なくとも要さんほど遊び人じゃないのはわかる。
じゃなきゃ、急ぐ必要があったとは言え、結婚相手をお見合いに頼る必要はなかったはずだ。


そう、私が人違いして一哉のお見合いをぶっ壊したりしなければ、今こうして要さんと会ってるのはあの時の着物の女性だったんだ、とぼんやりと考えた。
あの女性がどういう繋がりで一哉のお見合い相手に決まったのか知らないけど、少なくとも私とは比較の対象にならないくらい条件のいい人には違いない。


本当ならその方が一哉にも都合よかっただろうな、と思いながら、私はそっと彼を見上げた。
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