ホテル王と偽りマリアージュ
その後も『一哉の妻』としてのお務めは容赦なく続き――。
金曜日の夜、お義母さんと出席した『婦人会』から解放された時、私は初めて体調を崩したことに気付いた。
ただでさえ、まだ慣れたとは言えないお務め続きで気を張って疲れていた。
その上、この季節は一日の中で温度差が激しい。
パーティーやらセレモニーやらで、肌を出したイブニングドレスを着なきゃいけないこともあって、風邪を引いたのかもしれない。
ゆっくりお風呂に浸かって十分温まったはずなのに、お風呂から出た途端寒気を感じ、身体の震えが止まらなくなった。
マズいかも、と思いながら熱を測ってみると、電子体温計には『38.2℃』と表示された。
あ~あ、と思いながら、とりあえず買い置きの風邪薬を飲んで早めに横になった。
このままじゃ、せっかくの土日も寝て過ごす羽目になってしまう。
それは嫌だ。土日くらい一人で羽を伸ばして過ごしたい。
観たい映画もあるし、買い物も行きたい。
カフェでのんびりお茶を飲みながら読みたい本もある。
先週は要さんが突然訪ねてきたり、一哉の出張が決まったりで、いつもの休日のようにゆっくり出来なかったから、今週は……。
まるで自分に念じるように、『下がれ下がれ』と呟きながら、その夜眠りに落ちた、けれど――。
金曜日の夜、お義母さんと出席した『婦人会』から解放された時、私は初めて体調を崩したことに気付いた。
ただでさえ、まだ慣れたとは言えないお務め続きで気を張って疲れていた。
その上、この季節は一日の中で温度差が激しい。
パーティーやらセレモニーやらで、肌を出したイブニングドレスを着なきゃいけないこともあって、風邪を引いたのかもしれない。
ゆっくりお風呂に浸かって十分温まったはずなのに、お風呂から出た途端寒気を感じ、身体の震えが止まらなくなった。
マズいかも、と思いながら熱を測ってみると、電子体温計には『38.2℃』と表示された。
あ~あ、と思いながら、とりあえず買い置きの風邪薬を飲んで早めに横になった。
このままじゃ、せっかくの土日も寝て過ごす羽目になってしまう。
それは嫌だ。土日くらい一人で羽を伸ばして過ごしたい。
観たい映画もあるし、買い物も行きたい。
カフェでのんびりお茶を飲みながら読みたい本もある。
先週は要さんが突然訪ねてきたり、一哉の出張が決まったりで、いつもの休日のようにゆっくり出来なかったから、今週は……。
まるで自分に念じるように、『下がれ下がれ』と呟きながら、その夜眠りに落ちた、けれど――。