ホテル王と偽りマリアージュ
「契約じゃなくて、本物の結婚にしちゃえばいいってこと」
「……はい?」
「大人しく好きになっちゃえばいいじゃない。皆藤さんのこと」
「えっ!?」
わかりやすくはっきり言われて、私はギョッとして思わず大きな声を上げていた。
私の周りだけじゃなく、ちょっと離れたデスクの方からも同僚たちが目を向けているのが感じられる。
「ば、バカ言わないで。それに、条件を挙げたのは一哉の方なんだし。私がどうこう出来る問題でもないでしょ」
パソコンモニターを盾にして、同僚の目から隠れるように身を屈め、私はコソコソと芙美に反論した。
え~と不満そうな声が返ってくる。
「名案だと思うんだけど」
「そんな机上の名案が現実にまかり通るわけないでしょ」
「わかんないじゃない。皆藤さんの気が変われば、椿は戸籍汚したことにならないし、もちろん借金も背負わない。それどころか、ホテル王夫人なんだよ? しかも一生!」
芙美は簡単にそんな夢みたいなことを言ってのけてくれるけれど。
「今でこそいい人だって思えても、最初は本当に意地悪だったんだから。なに考えてるかわかんないしさ……」
そう、私は巻き込まれただけ。
一哉もそう認めたじゃない。
社長に就任する為だけに、両親を不幸にして私にも嘘をつかせてるって。
「……はい?」
「大人しく好きになっちゃえばいいじゃない。皆藤さんのこと」
「えっ!?」
わかりやすくはっきり言われて、私はギョッとして思わず大きな声を上げていた。
私の周りだけじゃなく、ちょっと離れたデスクの方からも同僚たちが目を向けているのが感じられる。
「ば、バカ言わないで。それに、条件を挙げたのは一哉の方なんだし。私がどうこう出来る問題でもないでしょ」
パソコンモニターを盾にして、同僚の目から隠れるように身を屈め、私はコソコソと芙美に反論した。
え~と不満そうな声が返ってくる。
「名案だと思うんだけど」
「そんな机上の名案が現実にまかり通るわけないでしょ」
「わかんないじゃない。皆藤さんの気が変われば、椿は戸籍汚したことにならないし、もちろん借金も背負わない。それどころか、ホテル王夫人なんだよ? しかも一生!」
芙美は簡単にそんな夢みたいなことを言ってのけてくれるけれど。
「今でこそいい人だって思えても、最初は本当に意地悪だったんだから。なに考えてるかわかんないしさ……」
そう、私は巻き込まれただけ。
一哉もそう認めたじゃない。
社長に就任する為だけに、両親を不幸にして私にも嘘をつかせてるって。