女の子として見てください!
その日も一日中、いろいろ考えてはいたけれどいい行動は思い浮かばなくて。
気づいたらもう夕方だ。そろそろ帰らなきゃ。


でも、帰る前に確認しなきゃいけない資料があったことを思い出し、私は資料室へと足を運んだ。



誰もいなくて薄暗い資料室に電気を点け、足を踏み入れる。

私が見たいのは、過去の立件ファイルだ。
ファイルの背表紙に書かれている年代を追っていき、目当てのファイルを見つける。


「あ、これだ」

ちょっと強引にお目当てだけをグイッと引き抜くと、隣り合ってしまわれていた他のファイルたちもバランスを崩してしまい、ドサドサドサ!と大きな音を立て、何冊ものファイルが足元に落ちてきた。

あーあー、めんどくさいことしちゃった。もっとそっと引き抜けば良かった。こんなだから飯尾君にしょっちゅう『美桜さんガサツっすね』って言われてしまうんだ。

そんなことを思いながら、その場にしゃがみこみ、他のファイルたちを片づけようすると。


「ん?」

落ちてきたファイルの一冊が気になった。

落ちてきた時にページが開いてしまったのだけど、その書類に、『作成者:飯尾 ユキ』と書かれていたから。

ユキさん、昔この署にいたのかな?
いや、違う。この書類コピーだから、原本はユキさんが当時勤めていた署にあって、情報共有の関係でコピーがうちのファイルにしまわれているんだ。

情報共有は別に珍しいことじゃないけど、この書類、なんの事件だろ……。

しまわれていたファイルからして、五年前の事件?


五年前?



「松城、こんなとこにいたのか?」

突然のその声に、思わず驚いてしまった。


大好きな声のはずなのに、驚いてしまうなんて……。



振り向くと、翔さんがこっちに歩いてきていた。
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