女の子として見てください!
その後、コートをハンガーにかけたり、手を洗ったり、リビングでふたりでちょっとお茶したりしていたら、ピーッという電子音がダイニングに響いた。お湯が張った音みたいだ。

「一緒に入る?」

からかうような口調でそんなふうに言われ、私はとっさに「入りません!」と怒るように返した。

翔さんにとっては予想通りの答えだったみたいで、「はいはい。じゃあ入らせてもらうわ」と言って、彼はひとり浴室の方へと向かっていった。


ひとりでなにもせずに、緊張しながらこのあとのことを考えていたら、シャワーの音がなんとなく聞こえてきた。
……さらに緊張感が増す。
このあと、私は、どうなるんだろう。
とりあえず、シャワーの音だけでも聞かないようにしようと思い、テレビを点けさせてもらった。お笑い番組がやっていた。笑いの沸点が低い私だけど、今日ばかりはまったく笑えなかった。


数分後、翔さんがタオルで頭を拭きながら浴室から出てきた。
裸にタオル姿とかで出てきたらどうしよう……とかいらない心配をしていたけど、翔さんはTシャツにスウェットというラフな格好をだった。それに関しては安心したけど。

「美桜もどーぞ」

「ははははいっ!!」

「お、おい。なんでそんなに急ぐ……」

浴室から出てきた翔さんを見たらもっともっと緊張して、私はなるべく翔さんを見ないように、走って浴室へと向かった。
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