女の子として見てください!
シャワーを浴びている最中も、考えるのは当然このあとのことばかり。
翔さんは気にしなくていいって言ってくれたけど……やっぱ緊張はしてしまう。それは仕方ないよね……。

今日は翔さんがいつもより私のことを女の子として見てくれているから、余計に緊張してしまうんだろうな。
今日ばかりは、私のことをゴリラとして見てくださいとか思ってしまった。


正直、いつもはお風呂の時間は短い。バーッと身体を洗って、ザーッと流して、ジャブーッとお湯に入って、ザバーッと浴槽から出る。女子力の欠片もないお風呂の入り方だ。
でも、今日はさすがにそうはいかず。
念入りに身体を洗って。いろいろチェックして。
お湯の中でもいろいろ考えた。

でも、考えたからといって、自ら緊張感を増すだけで意味がない。
あまり翔さんを待たせるわけにもいかない。
私は決心して、浴室から出た。


タオルで身体を拭いて、息を整える。
落ち着け、落ち着くんだ私。
フーッと深呼吸して、さっきまで着ていた服に手を伸ばす。

……いや、伸ばそうとした。


……ない。

確かに、カゴの中に入れておいたはずなのに!
服も、下着も、ない!


私はタオルを身体に巻いて、脱衣場から出て、翔さんに文句を言った。

「翔さん! 服! し、下着も……! 取ったでしょ!」

翔さんは、リビングでいじっていたスマホをテーブルに置いて、「ははは」と笑った。
ははは、じゃなーい!
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