女の子として見てください!
「裏通りのウワサ? なにそれ」

私が聞き返すと、彼は「俺も詳しくは知らないんですけど」と前置きしてから、話を続ける。


「三丁目の大通りから一本道外れの裏通りに、女子高生の売春を目論むヤバ系の店があるってウワサされてるんですよ」

「ウソ。ガッツリ捜査対象じゃないの?」

「あくまでまだウワサ段階らしいんですよ。実際、裏通りの巡回は行なったらしいんですけど、そんな店は見つからなかったって」

「ふぅん? 実際に巡回はしたんだ? じゃあ、ほんとにただのウワサなのかもね」

私がそう言うと、飯尾君は「そうですね」と答えながらも、


「でも、美桜さんも注意が必要ですね」

と言ってくる。


「私? なんで? 女子高生の売春でしょ?」

「そうなんですけど。だってホラ、美桜さん、”犯罪を呼ぶ女”だし」

「うるさいな!」


だけど、力いっぱい否定できないのが悲しい。
翔さんとの初デートでナイフ男の人質になった時は、さすがの私もお祓いに行こうかと思った……。


なんて会話をしていた時だった。


机に置いておいた私の携帯が鳴った。

画面を確認すると、光太郎君からの電話だった。


電話なんて珍しいな。というか初めてだな。

かといってとくに気にすることもなく、私は「もしもし?」と電話に出たけれど。


【……美桜さん】

電話の向こうの光太郎君の声は、ひどく弱々しいものだった。
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