女の子として見てください!
「どうしたの? なにかあった?」

【……葉子が、行方不明かもしれない】

「え!?」


葉子ちゃんって、昨日会った女の子だよね。
行方不明って、どういうこと?


【葉子、今日朝から学校来てなくて。カゼとかと思ったけど、先生もなんの連絡も受けてないって】

「先生はなんて言ってるの?」

【葉子は、今までも無断で休むことが結構あったから。今日もサボりだろうって言われてる】

「そうなの? じゃあ、今日もサボっちゃってるんじゃないのかな?」

【でも、俺にもなんの連絡ないのは初めてなんだ。
学校休む連絡どころか、LINEも既読にすらならないし。
……昨日の夜から様子がおかしかったから、なんか心配で】


昨日の夜?
私と光太郎君が喫茶店で話して、お店を出たところで葉子ちゃんと偶然会って……


「あのあと、なにかあったの?」

私が聞くと、光太郎君は。


【昨日の夜、葉子から電話があって。松城さんとはどういう関係なんだとかすごい聞かれたから、俺が告白してフラれたことを話したら、『好きな人がいたなんて聞いてない』とか言っていきなりキレてきて。電話もそのまま切られた】

「そうなんだ……?」

【……葉子、家族とあんまりうまくいってなくて、葉子の家族はまだ誰も葉子のこと探してないと思う。
学校の先生もそんな様子だし、葉子は友だちも俺以外にいないから、騒いでるのは俺だけかもしれない。
だけど……胸騒ぎがするんだ。なにかよくないことに巻きこまれているんじゃないかって。それで俺、どうしたらいいかわからなくなって……」

「光太郎君、落ち着いて。葉子ちゃんが行きそうな場所とかは心当たりある?」

【わからない。ゲーセンもカラオケも探してみたけど……あ。そういえば、最近三丁目辺りでバイト探してるとか言ってたけど……】

「三丁目?」

その言葉を聞いて、私の胸がざわついた。

でも、私が言葉を続けるより先に光太郎君が。


【松城さん……



葉子を、見つけてください】


震える声でそう話す光太郎君の真剣なお願いを、無下にすることなんてできるわけなかった。



「わかった、あとはまかせて!」


私はそう言うと、電話を切ってイスから立ち上がった。
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