表に出せない秘めた思い
「………っく!」

彼女は拳を俺に殴りかかろうとした。

「ちょっと理沙!それはやりすぎ!」
「うっさい!黙っててよー!!」

彼女の友達であろう人は必死に止めに入る。
なんかおっかなくなったなこいつ…。

「あんたもあんたでちょっとは理沙に悪いとは思わない訳!?」
「知らねーよ!先に突っ掛かって来たのはそっちだろうが!」
「あんたの頭のなかに思いやりって言葉はないの!?」
「なんの事だかさっぱりだね!」


とまぁ学校ではこんな感じだ。俺とこの理沙ってのは会う度に喧嘩するような感じだ。
こんな大声で喧嘩するのだから学校中ではこの有名な痴話喧嘩人を知らないものはいない。もちろん先生の間でも有名人で時々先生はあきれ顔をしながらも俺と理沙の所に来て喧嘩を止めたりもしていたこともあった。
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