エリート専務の献身愛


 結局、今日もダメだった。

 私は一日なにをしていたんだ。ただ時間と労力を無駄にしているだけなんじゃないの?
 ひとり立ちしてからの自分を評価するとしたなら、間違いなく0点だ。

 思い返せば、学生の頃、成績は決してずば抜けてよかったわけではない。けれど、0点なんて取ったことはなかった。
 悪くはないにしても、一番になることはできなくて、いつもお父さんのため息を耳にした。

 もしも今、お父さんが私の仕事ぶりを見ていたなら、ため息すらないかもしれない。

 私は、家族の中で唯一の出来損ないだ。

 重い足取りで会社に辿り着いた。
 所内には部長だけがいて、私は笑顔を取り繕う。

「ただいま戻りました」
「おお。ご苦労様。今日はどうだった?」
「……すみません」

 ぽつりと呟いて、俯いた。
 不甲斐なくて、情けなくて。一向に顔を上げられない。

 やっぱり、私ってなにもできないんだな。

 自分なりに努力はしていると思っていても、結果に繋がっていないのだから頑張り方が間違っていたり、下手なんだ。
 ひとり立ちしてからずっとこんな調子。さすがに心が折れそうだ。

 沈黙が、さらに気持ちを暗くする。
 きっと、部長もあまりに私が頼りなさすぎて二の句が継げないんだ。

 入社したときからお世話になっている部長は、とても人柄がよく、優しい人。目標達成に到達しなかった時も、怒鳴り散らしたりすることもなく、一緒にやり方を考え直してくれるような面倒見のいい部長だ。

 そんな部長すらなにも言えない状況にさせているなんて。

 恥ずかしい気持ちと悔しさで唇を噛む。
 自席の側に立っているのに、いつまでもそのままで、座ることもしなかった。

 肩に掛けていたカバンの取っ手を目いっぱい握り締める。
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