エリート専務の献身愛
「先にどうぞ。私もすぐ次の車捉まえますから」
「女の子にエスコートされるのは初めてだな」
彼の目には、私の姿がさながら宿泊しているドアマンのようにでも映ったのだろう。
軽く握った手を口元に添え、可笑しそうに声を漏らして笑っている。
接待なんて数えるほどしかしたことはないけれど、気持ちはいつでもそれと同じで仕事に臨んでいるようなもの。
それがこんなときも出てきたんだなと思うと、なんとも言えない気持ちになる。
恥ずかしさで赤く染まる頬が、次の瞬間、さらに赤みを増す。
「その役はオレ」
浅見さんはそう言って微笑むと、ドアに置いていた私の手をスッと取った。そのままクン、と引かれ、咄嗟にこのまま手にキスされるかと思ってしまった。
口をパクパクとさせる私を、優しい表情で見つめて言う。
「ひとりで帰すのは心配だから。どうしても自宅を知られるのが嫌だって言うんなら諦めるけれど」
「そ、そういうことはないですけれど……」
こんなふうに扱われたことなんかないから困惑する。彼の手のひらに触れている指先が震えてしまいそう。
「ほらまた。すぐそうやって気を遣う。今はただのデートだよ。変な気は遣わない!」
「でも」
「瑠依。オレたち、タクシーのドライバーを待たせてるよ」
「あっ」
指摘されて目を向けたタクシーの運転手は、怪訝そうな顔で私たちの様子を窺っていた。私は「すみません」と頭を下げてから浅見さんに顔を戻す。
「どうぞ」
浅見さんに改めて促され、迷いながらも片足を車に乗せた。
「女の子にエスコートされるのは初めてだな」
彼の目には、私の姿がさながら宿泊しているドアマンのようにでも映ったのだろう。
軽く握った手を口元に添え、可笑しそうに声を漏らして笑っている。
接待なんて数えるほどしかしたことはないけれど、気持ちはいつでもそれと同じで仕事に臨んでいるようなもの。
それがこんなときも出てきたんだなと思うと、なんとも言えない気持ちになる。
恥ずかしさで赤く染まる頬が、次の瞬間、さらに赤みを増す。
「その役はオレ」
浅見さんはそう言って微笑むと、ドアに置いていた私の手をスッと取った。そのままクン、と引かれ、咄嗟にこのまま手にキスされるかと思ってしまった。
口をパクパクとさせる私を、優しい表情で見つめて言う。
「ひとりで帰すのは心配だから。どうしても自宅を知られるのが嫌だって言うんなら諦めるけれど」
「そ、そういうことはないですけれど……」
こんなふうに扱われたことなんかないから困惑する。彼の手のひらに触れている指先が震えてしまいそう。
「ほらまた。すぐそうやって気を遣う。今はただのデートだよ。変な気は遣わない!」
「でも」
「瑠依。オレたち、タクシーのドライバーを待たせてるよ」
「あっ」
指摘されて目を向けたタクシーの運転手は、怪訝そうな顔で私たちの様子を窺っていた。私は「すみません」と頭を下げてから浅見さんに顔を戻す。
「どうぞ」
浅見さんに改めて促され、迷いながらも片足を車に乗せた。