エリート専務の献身愛
 受け取った紙袋の中を見ると、コーヒーとサンドイッチ。よくよく見れば、これはいつも通りがかるカフェの袋だ。
 テーブルの上をササッと片付け、紙袋から取り出す。

「美味しそう」

 色の綺麗な野菜が挟んであるサンドイッチ。コーヒーはアイスとホットひとつずつ。
「あ、コーヒーどちらを?」
「ああ。瑠依が好きなほう選んでいいよ」
「……じゃあアイスコーヒーで」

 好きなほうと言われたけれど、浅見さんはどっちが好きかを予想して反対のものを選んだ。確か、出会ったときも、その次もホットコーヒーを飲んでいた気がしたから。

 ふたりで小さなテーブルを挟んで向かい合い、コーヒーを口にする。

 テイクアウトのコーヒーを飲んでいるだけなのに、どうしてこんなに絵になるんだろう。そういえば、昨日思った
サンドイッチとコーヒーだ。すごい偶然。

 盗み見るようにしていると、浅見さんがラグの上に移動させた資料やパソコンを眺めて言う。

「思いきり仕事中だったみたいだね。邪魔してごめん」
「あ、いいえ。一段落ついたところだったので」

 仕事は本当にひと区切りついたから平気。それよりも、部屋を普段からもう少し綺麗にしておけばよかった。決して汚くはないはずと思いつつ、やっぱり完璧な部屋に招き入れたかったと後悔する。

 落ち着かない気持ちで正座していると、浅見さんが「食べて」とテーブル上のサンドイッチを私へ寄せた。
 私は「いただきます」と手に取って、包みを開ける。先にひとくち目を運んだ浅見さんが聞いてくる。


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