人事部の女神さまの憂いは続く
藤木さんからの視線は感じるけど、なんかもうどうでもよくなってきて、とりあえずグラスに口を付けていると
「お前、まじでふざけんなよ。そもそも、なんで真人さんと一緒にいんだよ」
暴君の怒りは全く治まっていなかったようで。その一方的に責めるような言葉にさっきそげたはずの怒りがまた湧いてきて、さぁ?と美女の方に視線を向けると、ちょっとバツの悪そうな表情に変わる藤木さん。
そこですかさず
「なぁ、藤木がそんなこと言う権利あんの?ほら、彼女待ってるよ」
波木社長が美女を指さして藤木さんに冷たい視線を向けている。さっきまで茶化してたくせに、この人怒ると恐そうだななんて考えていると
「いや、これ、嫁です」
ぼそっとした声とともに、馴染みのある大きな手が頭に降りてきた。
その言葉に、みんなぽかーんとしているけど、美女は眉間にしわが寄っていて顔面から恐ろしい迫力が出ている。
うわっと思っていると
「え、嫁って、奥さんってこと?藤木さん、結婚したんですか?」
やっぱり空気を読まない村岡社長が畳みかけるように質問しはじめた。