人事部の女神さまの憂いは続く
「そう。山本には言ってあっただろ」
不機嫌なままで答える藤木さんだけど
「冗談かと思ってた」
なんて山本さんにかえされてる。すると、それまで口を開かなかった波木社長が急に、あはははは、と大声を出して笑い始めた。
びっくりして横にいる波木社長の顔をまじまじと見るとその目には涙が浮かんでるほど。
「いやー、まじか。ゆりちゃん、まじで気に入ったんだけど。藤木にはもたいないって。ほら、ゆりちゃん。こんな結婚してるくせにコンパ来て女といちゃついてるような女タラシなんてやめて、俺にしときなよ。俺、こいつと違って彼女には一途だよ」
両手をギュッと握られて、潤んだ瞳で見つめられるとドキっとしてしまう。しかも言ってることはその通りだ。
「ほんと、女遊びなんてやめたって散々言ってたくせに」
頷きながら、そう呟くと
「こいつそんなこと言ってたの。かわいそうに。ゆりちゃん、俺、バツがついてても気にしないよ」
なんて言いながら肩を抱き寄せられる。