人事部の女神さまの憂いは続く

「なにベタベタ触らせてんだよ」

それを引き離すように腕が回ってきた。ここまできても、やっぱり暴君な発言に怒りを通り越してガッカリする。

「さっきまでベタベタ、イチャイチャしてた人に言われたくないです」

言いながら藤木さんの腕を引き離して、真人さんに向き合った。

「真人さん、今日はありがとうございました。色々お話しできて楽しかったです。
 でも、空気悪くしちゃってすみません。このお詫びはまたさせて下さい。今日は失礼しますね」

頭を下げて鞄を手に立ち上がろうとしたら真人さんがついて来た。藤木さんは目に入れないようにして、他のみなさんに

「すみません、失礼します」

頭を下げて個室をでると

「おい、待てよ」藤木さんの声が聞こえるけど、一緒になんて帰りたくない。

「真人さん、ありがとうございます。1人で帰れるので、藤木さん引き留めといてもらえませんか?今、顔見たくなくって」

正直にそうお願いすると

「ほんと面白いね。わかった。その代り、帰るなり、どっか泊まるなり落ち着いたら連絡頂戴。心配だから」

そう言ってくれる真人さんは紳士だ。

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