人事部の女神さまの憂いは続く

「なぁ、あいつのいきそうなとこ知らない?」

「さぁ。明日、会社には行くんじゃない?」

香織の冷たい言葉に、やっぱり見つからないかとショックを受けていると、はい、と大輔がコーヒーを置いてくれた。

「あ、ビールの方がよかった?」

「いや、車使うかもしんないから。サンキュ」

そう言ってカップを手に取った俺に2人の冷たい視線が突き刺さる。

「で?なんでニシユリ、家出なんてしてんの?」

まぁ、そうだよな、と思いながら口を開いた。

「ちょっとケンカ、というか怒らせちゃって」

「ちょっと怒らせただけで、家出?ゆりが?」

さっき以上に不機嫌な声を出す香織に居心地が悪くなるものの、この際全部話してみようと思う。

「飲み会で女もいたとこに、たまたまニシユリも来て。なぜか、あいつSMHの社長と一緒で、しかも口説かれてて。俺イラついて、自分のこと棚に上げてあいつ責めちゃったんだよ」

< 181 / 399 >

この作品をシェア

pagetop